血であがなったもの

2008年02月03日



去年買った本なのですが、
沖縄県知事も歴任された大田昌秀さんの書かれた「血であがなったもの」。

大田さんは、沖縄師範学校在学中に、鉄血勤皇隊として沖縄戦を経験しました。
師範学校生は、軍司令部と各部隊とをつなぐ最前線の通信隊として召集され、
ひめゆり部隊同様、たくさんの犠牲を被りました。
しかし、鉄血勤皇隊については、ひめゆり部隊ほど知られていないのが事実で、
私も卒論で沖縄戦について調べていくまで、
彼らについては名前は知っていたものの、詳しく知りませんでした。

この本は、その「鉄血勤皇隊員」から見た沖縄戦です。
鉄血勤皇隊は、住民でもなく兵隊でもない。
しかし、あるときは住民として、そしてあるときは兵隊として、
傷付き、飢え、友人を亡くし…
沖縄戦を生き抜いた大田さんの実話が生々しく書かれています。


大田さんは著書で、
「沖縄戦の実態を伝えることは難しい。自らの非力を感じないわけにはいかない。せめて、こういった本を通し、沖縄戦を風化させないよう汲み取ってほしい。そして、二度と同じ過ちを繰り返さないでほしい」とおっしゃっています。
今の私たちに出来ることのはじめの一歩。
沖縄戦の悲惨さを知ること。
そして、風化させること無く語り継ぐことこそ、平和への第一歩だと思います。






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